能登地震寄付　天使と怪物　種村季弘対談集

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天使と怪物―種村季弘対談集
種村季弘【ほか著】
青土社　2002

目次
宙から堕ちてきた天使（合田佐和子）
アリスの国へ（高橋康也）
笑い猫夢話（瀧口修造）
異貌のルネッサンス―博物学の視座から（荒俣宏）
隠された宇宙のロゴス―占星術・錬金術・曼荼羅をめぐって（前田常作；矢島文夫）
遍在する怪物―怪物論のトポス（谷川渥）
異界へのロマン（手塚治虫）
永久運動とＵＦＯの夢（河合隼雄）
マニエリスムの現在（ルネ・ホッケ）
華麗なる没落―ウィーン世紀末の夢と現実（池内紀）
映画神話の構造（山口昌男）

2001年刊。対談集、70年代のものから納められていて、山口昌男との映画対談（76年）は流石に馴染みのない名が多く読むのが厳しい。ルイス・キャロルを巡る高橋康也との対談（76年）は、アリスファンなら今もって基本とすべき内容。荒俣宏とのルネッサンス論、谷川渥との怪物の美術史、池内紀とのウイーンの都市論は奥深い内容でどれも読み応えあり。他に手塚治虫、滝口修造、河合隼雄などとの対談もあるが、個人的には合田佐和子との対談で彼女の作品についての発言が読めて良かった。

オカルト・秘教的な知や文学についての対談をまとめたもの。その知識量に圧倒されてざっと目を通すだけでも結構苦労する。ありがたいことに、かなり詳細に脚注がついているものの、その量も膨大なものなのでこちらを読んでいるだけでも中々疲れる。しかしながら、内容はとても面白いもので、この手のテーマが好きな人間にはたまらないものがある。こういった知が勢いを持っていた70年代80年代は良い時代だったんだなぁと、現在の妙に実証的な世風から見ると変なところで羨ましくなってしまった。（レビューより）

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